北海道薬学大会 2015年5月17日

2015.5.17 研究発表

「がん化学療法施行中患者の保険薬局における実態調査」

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日程:2015年5月17日
場所:札幌コンベンションセンター
研究者:浅野 逸郎、大野 伴和、藤原 舞子、鈴木 希、松本 健春(まつもと薬局 本店)



背景

がん化学療法の適正使用には、病院の医師・薬剤師と薬局薬剤師との連携が重要である。しかし、現時点では処方せんを応需した保険薬局では、適正使用のための情報が非常に不足している。昨今、お薬手帳などのツールを用いた病診薬連携が報告されている。今回、薬局に来局するがん化学療法施行中の患者に対して、治療レジメンの確認方法に関する実態調査を行った。

対象・患者背景

【対 象】
2014年6月〜8月の3ヶ月間に、まつもと薬局に来局した患者のうち、がん化学療法施行中と判断した患者。
【患者背景】
症例数:39例
年齢:中央値 69歳(49~82)
性別:男性24人 、女性 15人
お薬手帳:あり30人(70%)、なし9人(30%)

調査項目

  • 診療科
  • 臓器別
  • 来局した人
  • がん化学療法施行中であると判断した項目
  • 治療レジメンの確認について
  • 薬局薬剤師の患者について知りたい情報 ?

結果(1)診療科・臓器・来局した人の内訳

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結果(2)がん化学療法施行中と判断した項目

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結果(3)治療レジメンの確認

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診療明細書

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お薬手帳

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結果(4)薬局薬剤師の患者について知りたい情報

  • 治療方針
  • 疾患名
  • 体表面積(身長、体重)
  • 治療歴
  • 検査値(腎機能、治療効果)
  • 病院での説明内容

まとめ

  • お薬手帳への入院時における治療内容の記載が数件あり、がん化学療法において、お薬手帳が病診薬連携の有用なツールの一つと考えられる。
  • がん化学療法施行中の患者において、お薬手帳持参率は100%ではなく、今後も病院、保険 薬局での啓蒙が必要と考えられる。
  • 外来にて投与された注射薬は、病院での診療明細書でしか把握する事ができない。

今後の課題

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