Vol.23 嚥下(えんげ)障害

2017.10.24 薬局だより

「嚥下」 えんげ とは、水分や食べ物を口の中に取り込んで咽頭から、食道、胃へと送りこむ事です。
これらの過程のどこかがうまくいかなくなることを「嚥下障害」といいます。嚥下障害になると、水分が飲み込みにくかったり、食べたり飲んだりするとむせ込んでしまい苦しいばかりでなく、命にかかわる事があります。dayorivol23_01.gifのどは、飲食物の通り道と、空気の通り道(気道)が、交わっているところであり、そのために、飲食と呼吸の仕組みの間には高度な協調が必要です。

嚥下障害の原因...大きく3つに分けられます

  1. 器質的原因
    食物の通路の構造に問題があり、通路を妨げている。
    (口内炎、扁桃炎、歯槽膿漏、食道炎...)
  2. 機能的原因
    食物の通路の働きに問題があり、上手く送り込む事ができない
    加齢が機能的原因のひとつになる。(加齢、重症筋無力症、脳腫瘍、頭部外傷...)
  3. 心理的原因
    検査上明らかな異常が認められない。(心身症、咽頭異常感症、うつ病...)

薬剤の副作用(向精神薬、抗コリン剤、鎮静剤など)や、入れ歯の問題(合っていない)等も嚥下障害の原因になります

嚥下障害で起こる内科的問題

  • 窒息
    食べ物が気道にふさがって呼吸が困難になることがあります。
  • 誤嚥性肺炎
    食べ物が食道を通らずに、肺に入ってしまい細菌が繁殖して炎症を起こす。
  • 低栄養
    体力や食欲が低下して、栄養状態が不良になる事があります。
  • 脱水
    水分は特にむせやすいので、不足しがちであり、脱水状態になることがあります。とろみ剤を使うことで、水分のむせを減らすことができます。

飲み込みがよくない方へ【とろみ剤】

最近水分を飲むと、どうもむせてしまう・・・という方。その原因は、飲みこむ力が弱くなっているのかもしれません。そんな、飲み込みがよくない方へおすすめなのが、「とろみ剤」です。粉末あるいは液体を食品にまぜるだけで、粘度がつき、とろっと飲みこみやすくなります。使う量の加減でとろみのつき具合も変わります。加熱などの手間もかかりません。

とろみ剤の種類

一般食品用とろみ剤

  • とろみ用調味料加えて混ぜることで、食品に簡単にとろみがつけられ、加熱の必要がありません
  • 粉の入れる量でで、とろみのつき具合が調整できます

お茶用とろみ剤

  • 見た目、味にこだわり、お茶専用のとろみです。
  • 加熱の必要がありません。
  • 温冷関係なく、とろみがつきます。

牛乳・濃厚流動食用とろみ剤

  • 一般食品用とろみでは、とろみがつきにくい牛乳
  • 高栄養流動食専用のとろみです。トロメリンVとろみ用調味料
  • 加えて混ぜるだけで、とろみが簡単につけられます。

※濃厚流動食とは、少量でエネルギーやビタミン、ミネラルなどがバランスよく摂取できる食品です。