まつもと薬局便り第22号 糖尿病と低血糖

糖尿病と低血糖

糖尿病の薬物療法と切っても切れない低血糖。不安に感じるあまり、治療を中断したり食べ過ぎたりしては意味がありません。糖尿病で薬物療法を受けている場合には、どのような状況で低血糖になるのか、低血糖になったらどのように対処するかをよく理解し、いつでも・どこででも・速やかに対処できるようにしておく必要があります。

低血糖とは

低血糖を起こす疾患・原因には様々なものがあります。最も多いのが糖尿病の薬物療法に伴うもので、インスリンが過剰な状態になった時になります。糖尿病でインスリン治療や経口血糖降下剤投与を受けている人が、食事を抜いたり激しい運動をしたりすると、薬が効きすぎて血糖が下がり過ぎます。また薬の量を間違えてたくさん飲んだり、インスリンを多く打ち過ぎたりした時も低血糖になります。

低血糖の原因・誘因

◆ 不適切な食事摂取
食事を抜いたり食事の量が少なすぎれば、低血糖を起こします。下痢・嘔吐で食事が十分摂取・吸収されない時も低血糖の誘因となります。

◆ 運動量が多過ぎた
普段より激しい運動をした時や労働量が多過ぎた時にも低血糖が起こりやすくなります。

※ 薬( 経口血糖降降下剤.インスリン等 )の原因

◆ 薬の種類や量を、間違えた場合
◆ スルフォニル尿素剤(アマリール、グリメピリド、オイグルコン、パミルコン、グリミクロン等) インスリン分泌を促す薬は、指示通り服用している場合でも、低血糖を起こす可能性があります。(食事・運動の影響も含めて)
◆ 不適切なインスリン注射
こんだく製剤をよく混ぜない、注射部位をもむなど、不適切な注射手技も低血糖の一つの誘因となります。
≪こんだく製剤 → ○○R、○○ミックス、N注≫

低血糖の予防 

低血糖に関しては、予防にまさる治療はありません。
※  食事を、規則正しく摂る
※  インスリン注射の正しい手技を、身につける。
※  食前の過激な運動は避け、運動前に補食するなどの注意をする。
≪補食 → すぐにエネルギーとなる、おにぎり(小1個50g位)などの炭水化物≫

低血糖の症状

※正常では、血糖値は70mg/dl以上に維持されています。

血糖値が下がり過ぎると…

 keto

低血糖を、自分で対処できるケース

 ・ 低血糖の症状があらわれたら、ブドウ糖(なければ砂糖)を口にしましょう。

≪ ブドウ糖を10~15g 飲み込み、しばらく安静にする。≫
ブドウ糖10g=ブドウ糖液なら20ml、固形タイプのブドウ糖は2.7g×4粒、粉のブドウ糖では大さじ1杯弱が目安となります。                                                                                                                                     ※ベイスン、ボグリボース、セイブル、グルコバイ、アカルボース服用者は、必ずブドウ糖をとりましょう。

・ 余裕があれば血糖値を自分で測り、低血糖であることの 確認をしましょう。

・ 15分ほど経っても回復しない場合は、さらにブドウ糖を同量追加しましょう。

・ もうすぐ食事だからそれまでがまんしようなどと考え対処を遅らせると、より危険な状態に至る可能性があります。

・ 糖分をとって、一時的に多少高血糖になったとしても、低血糖を放置するよりはずっと安全です。

 

低血糖を、自分で対処できないケース

・ 意識障害を起こした時には、家族や周囲の協力が必要になります。

・ 緊急時に備えて、発作の際に周りの人に助けてもらえるように、ブドウ糖や砂糖、処置・連絡先を記した糖尿病健康手帳を、いつも携帯しましょう。

   砂糖・ブドウ糖を歯茎と唇の間にすり込む
(水に溶かしたものは、誤嚥のおそれがあるので避ける)

病院に搬送する  → グルカゴン注射
(救急処置がとれなかったり、救急処置でも回復しない時)