『腎臓病学習会』
腎臓病と風邪薬
①風邪は腎臓にダメージを与えます。
又、熱が高くなると、食事をとっていても筋肉の分解が進んでしまい、カリウムやBUN(尿素窒素)が高くなることがあります。その為風邪などをきっかけに腎臓の障害が進む危険性もあります。
⇒最善は、かからないこと!!
風邪などで高熱が続くと脱水が起こり、腎臓に流れる血液の量が減り、腎臓に悪い影響があります。
②風邪は予防が第一です。
- 外出する時は必ずマスクをする。
- 帰宅したら、まずはうがいと手洗いを。
- 睡眠と休養をしっかりとる。
- 乾燥を避け加湿する。加湿器がなければ洗濯物等を吊るす。
③風邪をひいた時・体長の悪い時、まずは主治医に相談しましょう。
- 自宅で体調不良や高熱が出た時は、腎臓病を診てもらっている病院に電話をして指示を受ける。
- 透析を受ける方は、透析前に診察を受ける。
- 透析中に気付いたときは、すぐにスタッフに申し出る。
- あらかじめ、風邪をひいた時にどうしたらよいか主治医に対処法を聞いておく。
④市販薬(OTC薬)について
“OTC薬だから安全”とは必ずしもいえません。特に処方薬も飲んでいることの多い腎臓病の患者さんは、OTC薬は腎臓に良くない成分が含まれている場合や処方箋との飲み合わせの問題もあるので、基本的にOTC薬は避けたほうが良いでしょう。
腎臓病の方が避けた方がいいOTC(市販)薬の成分は・・・

| 成分 | 含まれるOTC薬 | 作用 | 腎臓病の方への影響 |
|---|---|---|---|
| 解熱鎮痛剤 | 風邪薬・痛み止め・熱さまし等 | 熱を下げたり痛みや炎症を抑えます。 | 腎臓の血流を低下させ、腎機能を低下させることがあります。 |
| アルミニウム | 風邪薬・胃腸薬・下痢止め等 | 胃酸を中和します。 | アルミニウム骨症・アルミニウム脳症を起こす危険があります。 |
| H2ブロッカー | 胃薬等 | 胃酸の分泌を抑えます。 | ほとんどのH2ブロッカーは腎臓から排出されるので、通常の量で飲んでしまうと副作用を起こすことがあります。 |
| マグネシウム | 便秘薬等の下剤 | 胃酸を中和します。 | 大量を長期摂取した時、抗マグネシウム血漿を起こすことがあります。 |
「腎臓病にかぜ薬は良くない!」と言われているのは、OTC薬のかぜ薬・解熱鎮痛薬・胃薬にこれらの成分が入っている事が多いからなのです。
⇒これ以上腎臓に負担をかけない為にも、
OTC薬を自己判断で飲むのは避けてまずは主治医に相談しましょう。
腎臓病と栄養ドリンク
ジュース?薬?それとも ・ ・ ・?
栄養ドリンクは「肉体疲労時の栄養補給」などの目的で販売されている飲料です。含まれる成分によって、「清涼飲料水」「医薬部外品」「医薬品」などに分けられます。
どんなものが入っているの?
| 成分名 | 作用・効果 |
|---|---|
| 糖分 | 血糖値上昇。血糖値を急激に上げ、脳が一時的に元気になる。 |
| ビタミン類 | 体調を調える。代謝を助け、エネルギーを活性化する。 |
| カフェイン | 覚醒作用。眠気を抑え、目を覚まさせる。 |
| アルコール | 覚醒作用。気分を高揚させることで、やる気が出たような状態にさせる。 |
| 生薬(甘草) | アレルギーを抑えたり、肝機能を高める。 |
- 腎臓に負担の大きいアルミニウムを含んでいるものもあるので注意しましょう。
- 糖分が多いものもあります。血糖値のコントロールが必要な人はカロリーや成分を見てみましょう。
病院でもらう薬やOTC薬との飲み合わせは?
栄養ドリンクに入っているアルコールやカフェインは薬が効きすぎたり、逆に効き目を弱めることがあります。
例)一部の喘息の薬や血圧を下げる薬、H2ブロッカー、睡眠薬など。

甘草(カンゾウ)と言う成分はドリンクにも漢方薬にもよく使われるので、重複して飲んでしまうことがあるので注意が必要です。
まずは入っている成分を確認し、主治医に相談することをお勧めします。そしてビンに書いてある用法・用量は必ず守りましょう。どうしても、という時以外は飲まない方が安心です。疲れた時は無理をせずに、ゆっくり休んでください。
腎臓病とお酒
お酒は飲んで良いのでしょうか? 飲んで良いとしたらどれ位?
肝臓に病気を持っていない方・血圧や血糖値コントロールが良好な方に関しては必ず医師に相談のうえ、適量を守れば飲んでも問題ないと言われています。
ただし透析を受けている方・水分制限のある方は、水分量に注意して下さい!
お酒を飲む上での注意点は?
- 目安としては日本酒一合、またはビール大瓶一本・ワイングラス2杯程度にすること(女性はその半分)。
- 必ず休肝日を作りましょう。
- つまみは高たんぱく 質・高塩分の物が多いので気をつけましょう。
アルコール飲料の成分含有量
| 酒類(100ml当たり) | エネルギー (Kcal) |
たんぱく質 (g) |
カリウム (mg) |
リン (mg) |
水分 (ml) |
|---|---|---|---|---|---|
| 日本酒 | 109 | 0.4 | 5 | 7 | 82.4 |
| ビール | 40 | 0.4 | 34 | 15 | 92.8 |
| 黒ビール | 46 | 0.5 | 55 | 33 | 91.6 |
| 白ワイン | 73 | 0.2 | 60 | 12 | 88.6 |
| 赤ワイン | 73 | 0.2 | 110 | 13 | 88.7 |
| 焼酎 | 206 | 0 | 0 | 0 | 71.0 |
| ウイスキー(40度) | 237 | 0 | 0 | 0 | 66.6 |
| ウオッカ(40度) | 231 | 0 | 微量 | 0 | 66.6 |
お酒の種類によっても気をつける点が違います。
- ビールは意外と高タンパク質です(500mlで2g)
- 日本酒・ワインもたんぱく質を含みます。
- ワインはカリウムも多く含みます。
- 焼酎・ウイスキー・ウオッカ・ブランデー等は、たんぱく質・カリウム・リンをほとんど含んでいません。
- 果汁はカリウムが多いので果汁割には気をつけましょう。(ソーダ・低果汁ジュース・水・お茶で割る)
<今日のまとめ>
少しでも体調がおかしいと思ったら、受診しましょう。
腎臓病や腎不全の患者さんは症状が出にくい特徴があります。例えば、肺炎などにかかっても高い熱が出ないで、倦怠感(全身のだるさ)や咳、痰だけで始まることもあります。そのために軽い風邪と誤って自己判断してしまい、気軽にOTC薬を買うことで治療が遅れてしまうこともあります。いずれにしても、予防と早期発見・早期治療が最も重要です。

